労働者協同組合コモンウェーブ ~児童発達・放デイ「サニーぷらす」を開所しました~

児童発達・放デイ

2023/01/01

.

2022年10月20日、「労働者協同組合コモンウェーブ」を三重県鈴鹿市にて立ち上げました。

労働者協同組合とは、これまでの会社組織にあるような経営者・資本家ー労働者という上下の関係ではなく、メンバー全員が「出資」「経営」「働き手」の役割を担い、“話し合い“によって誰もが平等に主体的に事業に関わることができるという画期的な組織です。

ワーカーズコープさん等が20年もの歳月をかけて働きかけた末、今年10月1日に労働者協同組合法が施行されました。

.

不登校生徒支援事業として、「みんなの居場所ラピュタすずか」を2021 年5月に立上げて1年半。

学校に行けないということで自己肯定感の低かった子どもたちが、生き生きと活動する姿を見て喜びを感じる一方で、常に課題を感じていました。

・国や自治体からの支援がなく、助成金頼みの不安的な居場所運営。

これについては、県内のフリースクールに100万、200万の補助を出している自治体もあり、自治体間格差が大きいという現状があります。

・公立中学校には一人当たり100万の公費補助が入っていますが、子どもが不登校になると、税金を納めていても、わが子には還元されず、フリースクールや通信教材等で経済的にも時間的にも大きな負担を強いられる保護者。

・経済的時間的余裕のないとりわけシングル家庭では、送迎が困難なため適応教室にも行けず、有料のため民間の居場所には通うことができず、孤立していく親子ーー。

.

そんな折、受給者証があり放課後等デイサービスに通っていたけれども、学校に行けなくなった途端、放デイにも通えなくなったというお子さんが弊社に見えるようになりました。

弊社は、スタッフが不登校の当事者であることを強みとしています。

そのお子さんも、一般の放デイには通えないけれども、弊社には楽しく参加でき、弊社で大切にしている“話し合い”(多数決ではなく、みんなが納得できるまで話し合うこと)にも参加できるようになりました。

そこで、上記の課題に対処するための一つの手段として、私たちが多機能型児童発達放課後等デイサービス「サニーぷらす」を立ち上げることにしました。

.

そして、どのような会社組織にしようかと考えていた時に、タイミングよく施行されたのが「労働者協同組合法」でした。

サニーぷらすで子どもたちと“話し合い”による問題解決や居場運営を試みていた私たちにとっては、ラピュタでやっていることを実社会で試す絶好の機会と、迷わず労働者協同組合を選択しました。

.

労働者協同組合は、労働者派遣以外であれば、あらゆる事業をすることができます。

コモンウェーブの定款には、以下のように記しました。

第1条(目的)<略>多様な就労の機会の創出と、当該組織を通じて地域における福祉、教育、人権、文化、環境等、暮らし全般を高めることに関する事業を行い、もって子どもも大人も誰もが一人の人間として尊重される地域社会の実現に寄与することを目的とする。

まずは放デイの運営から始め、多彩な組合員の知恵と才能を結集し、子どもも大人も心豊かに暮らせるような地域づくりに邁進していきたいと考えています。

ちなみに、「コモン」とは水や空気などの共有財産=共同体に必要不可欠なものを意味します。

私たちの事業が地域に必要不可欠なものとなり、それが最初は小さな波(ウェーブ)であっても、バタフライエフェクト(わずかな変化がやがて世界に大きな変化を及ぼしていくこと)のように広がっていくことをイメージして名づけました。

至らぬ私たちではありますが、ぜひともご支援ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

.

代表理事 山浦久美子

コメント

タイトルとURLをコピーしました